2026/01/28労務トピックス
近年、企業経営においてAI活用は避けて通れないテーマとなりつつあり、
業務効率化にとどまらず、企業の競争力や成長戦略そのものに大きな影響を与えています。
さらに、AIを活用できる人材とそうでない人材の間には、生産性や業務遂行力の差が生まれ始めており、その影響は新入社員の段階からすでに表れつつあります。
特に生成AIの実務活用が進む現在、業務の進め方そのものが変化し、「AIに対応できる人材をどのように育成するか」という戦略が、経営判断の重要な要素となっています。
こうした変化に対応できるかどうかは、従業員個人の努力だけでなく、企業としてどのような環境を整え、どのような人材育成を行うかに大きく左右されます。
本コラムではこうした変化を踏まえ、AI活用が進む今の状況や、企業が今後備えるべきポイントを考えていきます。
一般社団法人日本能率協会の調査では、「AIを使って仕事をしたいですか」という質問が行われました。その結果、高卒者の15.5%が「できればしたくない」と回答しています。一方で、「(積極的に)使って仕事をしたい」と答えた割合は13.0%にとどまり、大卒の34.8%、高専・専門・短大卒の25.9%と比べて大きく下回る結果となりました。高卒者の間では、AIに対する心理的なハードルや、業務で活用することへの不安感が相対的に高いことがうかがえます。

GMOインターネットグループが公開している調査記事「生成AIの業務利用者の43.6%が『業務効率が大幅に向上した』と回答~認知度に対して利用率が依然低い状況、課題はスキル不足と技術・予算の制約~」によると、生成AIの導入が業務プロセスに与える影響について調査した結果、「業務効率が大幅に向上した」と回答した人が43.6%、「特定のタスクの品質が向上した」と回答した人が38.5%という高い割合となりました。
このことから、生成AIは単純作業や繰り返し業務の自動化、業務スピードの向上、作業の正確性や一貫性の改善といった点で、実際に業務効率化に貢献していることが分かります。
一方で、生成AI活用における課題としては、「スキル不足」「技術的な制約」「予算の制約」 が挙げられており、特に「スキル不足」が38.5%で最も多い回答となっています。
この結果から、生成AIを業務でしっかり活用していくためには、ツールを導入するだけでなく
社員向けの教育やスキルアップの仕組みづくりが重要であることがうかがえます。

(引用元:GMOインターネットグループhttps://group.gmo/news/article/9148/)
この結果から、個人の学習環境や情報に触れる機会の違いが、AI活用の幅やスキルの差として表れていることがうかがえます。つまり、AI活用スキルは自然に身につくものではなく、環境や教育によって大きく左右されるということです。
今後、業務効率化や生産性向上のためにAI活用が不可欠となる中で、企業が主体となって従業員に対する教育・研修の機会を提供し、誰もがAIを活用できる環境を整えることが重要になります。学歴や経験に左右されず、全社員がデジタルスキルを身につけられる仕組みを構築することこそ、これからの企業に求められる「企業教育」の役割であると言えるでしょう。
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